こうとうトコトコ日和 2024 秋号

昔ながらの人付き合いと 川の見える風景が 江東区の魅力 龍澤さんが副所長を務 める深川東京モダン館は、 江東区の“観光と文化の拠 点”。その事業は多岐にわ たります。観光案内所とし てマップやパンフレットを 配布、お土産販売、ボラン ティアガイドが常駐して 開館日に1日2回、1時間程 度のまちあるきツアーを 開催。2階は展示や寄席、 ランチの提供(不定期)な どのイベントが催される 他、貸しスペースとしても 営業しています。「いろん な人が企画を持ち込んでく れて、どんどん使い方のア イデアが増えていくので、 あえて“深川東京モダン館 はこんな所”と限定せずに います」。時には、学芸員 でもある龍澤さんを頼っ て、「祖母が住んでいた昔 の地名を調べたい」と訪ね てくる人もいるのだとか。 昔ながらのコミュニティー が残る門前仲町エリアにあ り、近隣には下町情緒が漂 います。「地元の人たちは 富岡八幡宮のお祭りをとて も誇りに思っていて、この 祭りを支えるために町会な どの組織がしっかりしてい ます。ご近所付き合いの濃 さは好き嫌いが分かれると ころではあるけれど、これ こそがこの町の良さだと思 います」。 西東京市で生まれ育った 龍澤さんが江東区で働き始 めて21年目。初めて中川 船番所資料館で働くことに なった時は、都会だと想像 していた江東区に、シロツ メクサが咲く旧中川の景色 が広がっていて驚いたそ う。「川の見える風景があ ちこちにあるのは、江東区 の魅力。今でもたまに歩い て出勤することがあります が、隅田川の風に当たりな がら永代橋を越えると“今 日も仕事を頑張るぞ”とス イッチが入るんですよね」。 龍りゅう 澤さわ 潤じゅん さん profi le 深川東京モダン館管理事務所 副所長。江東区中川船 番所資料館勤務、江東区文化財専門員を経て2011年 から現職。近代日本史専門の学芸員。東洋大学非常勤 講師、深川門前仲町景観まちづくりの会事務局長とし ても活躍。 インタビュー……この人に会いたい 深川東京モダン館 MAP 24 →P8-9 門前仲町1-19-15 Tel.03-5639-1776 月曜(祝日の場合は翌日)、展示替え期間休み 入館無料 都営大江戸線・東京メトロ東西線「門前仲町」駅6または3出口徒歩3分 かつて東京市営食堂だった建物は 国登録有形文化財。階段には昭和 初期当時のモザイクタイルが残る 年4回開催予定のイベント「食べ る・学ぶ・深川めし」。次回9月1 日は龍澤さんの講演も 14

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