【江東 この街あの人】豊洲商友会 理事長 渡辺 哲三さん

商店街だけでなく豊洲の発展にも尽力。
夢ある豊洲の未来を描くアイデアマン!

魅力ある水辺づくりでまちを盛り上げる!

渡辺さんは生まれも育ちも豊洲ですか。

 そうなんです、両親が昭和24年に豊洲4丁目で『三栄堂パン店』を開業しました。豊洲は大正から昭和にかけて埋め立てられた土地で、石川島造船所や巴組鉄工所、戦後は東京電力や東京ガスなどの工場も次々と操業した重工業地域でした。今の豊洲からは想像もつきませんよね。当時は工場で働く人の社宅なども多く、『三栄堂』はパンだけでなく和菓子やケーキも扱い、3店舗を構えるほど繁盛したんです。
 大学卒業後は貿易商人を夢見てヨーロッパ、とくにスペインに憧れて旅立ち、イギリスやアメリカなどを渡り歩きました。カリフォルニアではガーデナーとして働きましたが、アルバイトだけでは学費もままならず、過酷な仕事から結核を患ってしまい、わずか10カ月で帰国したんです。もう挫折感でいっぱいでしたね。
 その後は実家を継ぎ、いまはベーカリー「ペル・エ・メル」や「パティスリーSAKURA」の他、豊洲で4店舗を経営しています。

豊洲といえば新市場がようやくオープンしますね。

 今年10月11日に豊洲新市場が開場すると、豊洲のまちは変わるでしょうね。ただ、観光客向けの「千客万来」施設が同時オープンできないのは残念です。商店街としては市場とどれだけコラボできるか、といったことを考えています。これは豊洲だけではなく江東区商店街連合会(商連)や商工会議所も同じ考えでしょう。商連では2月に「SHOURENフェスタ」でスタンプラリーイベントを行なっていますが、来年は市場と何かコラボできると良いですね。
 築地の一部の仲卸業者さんとは交流があり、「江東湾岸まつり」「豊洲水彩まつり」などのイベントに協力してもらっているんです。昨年の「豊洲水彩まつり」では、ドジョウつかみイベントを開催してもらい賑わいましたよ。

【江東 この街あの人】豊洲商友会 理事長 渡辺 哲三さん 東電堀で開催した「豊洲水彩まつり」。ゴムボートレース、カヌーやディンギー体験で大賑わい
東電堀で開催した「豊洲水彩まつり」。ゴムボートレース、カヌーやディンギー体験で大賑わい

「豊洲水彩まつり」は商店街で開催しているんですか?

 豊洲地区運河ルネサンス協議会が中心となって、毎年9月に開催している水辺のイベントです。この協議会は行政と協働して、水辺を生かした「ふるさと豊洲」のまちづくりの推進を目的とした会で、商店街、町会、学校、企業などが参加しています。
 「豊洲水彩まつり」は、これまで豊洲運河で行なっていましたが、昨年は東電堀(豊洲5~6丁目)で初めて開催しました。桟橋や水陸両用バスのスロープが完成し、入江のようになっているんです。そこでゴムボートレースを開催したり、障がい者も安全に乗ることができるディンギー体験やカヌー体験なども行ない、お客さんからも非常に好評でした。

【江東 この街あの人】豊洲商友会 理事長 渡辺 哲三さん 豊洲のランドマーク「アーバンドッグららぽーと豊洲」。IHIの造船所の産業遺構が随所に見られる
豊洲のランドマーク「アーバンドッグららぽーと豊洲」。IHIの造船所の産業遺構が随所に見られる

まさに水辺を活かしたまちづくりですね。

 豊洲といえばやはり水辺が特徴ですから、ディンギーやカヌーのメッカにしたいと思っています。そのためにも、水辺の管理を民間に早く委託していただき、使い勝手良くしてもらうことも重要ですね。本当はマリーナのようなものができれば、景色としてはかっこいいなと思います。ヨーロッパでもオーストラリアでも水辺の写真を見ると、ヨットハーバーの向こうにオペラハウスがあって、そういう絵が出てくるじゃないですか。豊洲も「レインボーブリッジ」や「ららぽーと豊洲」もありますからね。ヨットで豊洲に来て桟橋にとめて、遊んで食事して帰ると。かっこいいじゃないですか。
 もっと水辺を安全に楽しく、もっと水辺に近づけるようなことができれば、今以上に魅力が高められると思っています。

住民に喜ばれる魅力的な商店街にしたい。

【江東 この街あの人】豊洲商友会 理事長 渡辺 哲三さん 豊洲商友会が取り組んでいる大人気の「豊洲みつばちプロジェクト」
豊洲商友会が取り組んでいる大人気の「豊洲みつばちプロジェクト」

豊洲商友会ではどんな取り組みをしていますか?

 豊洲交差点にあるビルの屋上で4年前から養蜂をして「豊洲みつばちプロジェクト」に取り組んでいます。いろいろなメディアが取り上げてくれたおかげで、よく売れました。昨年は東京都主催の「東京商店街グランプリ」で、このプロジェクトが優秀賞をいただきました。
また、ハロウィンイベントは今年で14回目となりますが、毎年800人の子どもと200人の大人が参加して盛大にパレードを行なっています。

【江東 この街あの人】豊洲商友会 理事長 渡辺 哲三さん 2017年からお台場と豊洲間を水陸両用バス「スカイダック」も運行!
2017年からお台場と豊洲間を水陸両用バス「スカイダック」も運行!

 2020年には東京五輪・パラリンピックも開催されるので、昨年は商店街の会員向けに英会話教室を全6回開催しました。6回で英語が話せるってことはないでしょうが、外国人観光客が来店しても接客が怖くない、なんとか対応できる、英語に慣れる教室ですね(笑)。今後も続けていく予定です。また、昨年からお台場と豊洲の間を水陸両用バス「スカイダック」が走っています。これに商店街も協力し、例えばチケットの半券でサービスするなど、何かしら行ないたいですね。

これからの豊洲商店街について、何か考えていることはありますか?

 実は豊洲4丁目の広大な都営アパートに建て替えの計画があります。住居を3分の1に集約する予定で、商店街の裏側にあたる残りの2ブロックが空くんですね。この裏通りをどうにかして魅力的にできないかと考えています。豊洲商店街は表通りが中心で、裏通りにはほとんど店舗がないんです。だから、例えば惣菜屋さんや生鮮食品が集まるエリアや、若い人が挑戦できるような店が集まるエリアを作ってほしいですね。若い人だけでなく、子育てが終わった女性や定年後に何かやりたい人でもいい。
 また将来、地下鉄8号線が通る計画もありますから、その時に地下から商店街までの動線をしっかり作りたいです。東京都の土地を行政と地域と商店街が一緒になって未来を描き、話がまとまればいいなと思います。
 豊洲から南には商店街がなく作られる予定もありません。すべてショッピングセンターなんです。最後の砦が豊洲商店街ですから、もっと魅力的な商店街にして、住民に喜ばれるエリアにしていきたいですね。
(2018年1月26日取材)

江東 この街あの人

豊洲商友会 理事長 渡辺 哲三さん

1949年生まれ。豊洲商友会協同組合理事長。豊洲で生まれ育ち「ペル・エ・メル」「パティスリーSAKURA」「バル・ブレッツァ」「カフェ&ベーカリー オン ザ カナル」を経営。江東区商店街連合会副会長、東京商工会議所江東支部副会長、江東区観光協会副理事長、豊洲地区運河ルネサンス協議会会長。

豊洲商友会ウェブサイト http://www.toyosu.or.jp/